タイトル | : 聖霊降臨節のカンタータ一覧 |
投稿日 | : 2007/05/27(Sun) 01:19 |
投稿者 | : 旅の者 |
聖霊降臨節のカンタータは、
基本的に、初夏のさわやかな季節を彩る、魅力的な音楽ばかり。
第1日のものは、祝日らしい華やかさにあふれ、
第2、第3日になるにつれ、
牧歌的な雰囲気が色濃くなっていきます。
いつものように、他の目的で作成したものの流用ですが、よろしかったらご参照ください。
(注) 2年目の作品は、ツィーグラー・シリーズになります。
【精霊降臨節第1日(5月27日)】
初期(1714)
BWV172 「歌よ、響きわたれ!」
* 初期の大作。自信作らしく、何度も再演された。
3本のトランペットが活躍する豪華なアリア、
穏やかで静謐なコラール付アリア、
(オブリガートはorg版とob版2種類あり)
など、聴きどころが多い。
1年目(1724)
BWV59 「もし私を愛するならば」
* ヴァイマール時代?すでに作曲されていた未使用曲。
次にあげる名作、BWV74の原型。
BWV74に比べ、小規模で、未完成の感があるが、
名アリア「いらしてください」のバス版(オブリガートもVn)が、
聴ける。
2年目(1725)
BWV74 「もし私を愛するならば」
* 前期BWV59を改作、発展させた、
この祭日にふさわしい大作。
大作ながら、一番印象的なのは、
カンタータ中、最も短いと言われる、
可憐なソプラノアリア。(オブリガートはOb)
「いらしてください。私の心は、開かれています」と、
歌いだし、
「アイ・ラブ・ユー」と続く歌詞も、
ストレートでめずらしい。
後期(1746、7?)
BWV34 「おお、永遠の炎、愛の源よ」
* 原曲はケーテン時代の世俗カンタータ。
バッハの最後のカンタータの一つ。
合唱、アリアともに、
全カンタータの中でも最高峰の名作。
【精霊降臨節第2日(5月28日)】
1年目(1724)
BWV173 「高くかかげられし血肉よ」
* アリア、合唱はすべて、
ケーテンの世俗カンタータBWV173aが起源の、
魅力あふれる舞曲。
つまり、復活節のBWV134、66などと同じ。
2年目(1725)
BWV68 「神はこれほどまでに世を愛して」
* 冒頭合唱はシチリアーノ。
アリアはすべて、名作、「狩のカンタータ」が起源。
中でもソプラノアリアは、
パロディ手法が際立っており、
ソプラノパートが大幅に改変された上に、
vcpのパートが付け加えられ、その後、
Vn、Ob、Vcpの器楽リトルネッロが続く。
後期(1729)
BWV174 「我、いと高き者を」
* 後期の魅力あふれるピカンダーカンタータの一つ。
例によって、器楽シンフォニア付。
この曲の場合は、ブランデンブルク第3番の1楽章。
これは、ホルンとオーボエを加えた豪華バージョン。
続くアリアも美しい。
【精霊降臨節第3日(5月29日)】
1年目(1724)
BWV184 「待ちこがれた喜びの光」
* 夢見るように美しいレチタティーボに続き、
ここでも、ケーテンの世俗カンタータ起源の、
すばらしい舞曲アリア、合唱が登場。
第2曲のパストラーレ、終曲のガヴォットが美しい。
ガヴォットは、バッハ自身もお気に入りで、
この他にも、別の世俗カンタータに転用されたのち、
最後にクリスマス・オラトリオ第5部の冒頭合唱に
落ち着きました。
2年目(1725)
BWV175 「彼は、自分の羊の名を呼ぶ」
* ここにも、BWV173aからの舞曲アリアが登場。
また、3本のリコーダーが活躍するアリアなど、
このあたりになると、かなり牧歌的。