タイトル | : BWV166、86 |
投稿日 | : 2007/05/20(Sun) 08:44 |
投稿者 | : 旅の者 |
第1年巻の最後を飾る「定型カンタータ」。
まず、はじめの2曲、BWV166とBWV86を聴いてみた感想を、書いておきます。
<BWV166>
レオンハルト盤を聴きました。
冒頭聖句楽章は、(演奏のせいでしょうか)まるで、オーボエもバスも、のどかに散策してるようなアリア。何度も立ち止まってあたりを見渡すかのよう。
(歌詞は「あなたはどこに行くのか」)
次のテノールアリアは、VnとObの二重奏が美しい!
Vnパートは第三者の追加である可能性もあるようですが、これは、あった方が断然いい、と思いました。
次は、いよいよオブリガート付コラール編曲。
心地よいリズムのストリングス+bcにのって、コラールが歌われます。少し、足が速まった感じ。(足取りが確かになった?)
そして、レチタティーボの後、いつもの明るい、一点の曇りも無い舞曲。これは、メヌエットでしょうか。美しい!
<BWV86>
全集盤をそのまま聴いたため、こちらはアーノンクール。
聖句楽章は、五声のモテット。
つくりは、完全に声楽のモテットなのですが、歌うのはバスだけ。他の声部は、2本のオーボエやストリングス等の器楽で奏されるため、ルネサンス風な感じがさらに強まって、すばらしい!
思わずくりかえし何度も聴いてしまった。
こういうのも、アリア、というのでしょうか。
他にあまり例が無いと思いますが、もっと書いてくれればよかったのに。
第2曲、アルト・アリアは、がらっとかわって、Vnが華々しくコンチェルトみたい。
次のコラール編曲。今度のオブリガートは、2本のオーボエです。
その後はまた、レチタティーボ、舞曲風アリアというパターン。
アリアの伴奏は、Vnの合奏になりますが、さらに華麗になっています。
* 両曲を通じての感想。
以上のように、完全にパターンが同じなため、とても、聴きやすいのですが、(歌詞の内容が把握しやすい)
これがずうっと毎週続くとなると、やはり少し困るかも。
そのあたりから、「コラール・カンタータ」のあの鉄壁の型式が誕生したのかもしれません。
あとは、中間のコラール編曲が、どちらもやはりすばらしいできばえで、
いつも言うことですが、シュープラーコラール集に入れたくなるほどです。
それから、やはりわたしは、最後に登場する舞曲アリアに惹かれますが、
2曲では、だいぶ感じがちがいます。
166の方は、優雅で、ある種超然としたあゆみを思わせ、
86の方は、生き生きと飛び跳ねるような感じです。
これは、ひとえに、指揮者の個性によるのかもしれません。
ほんとうにおもしろい二人だ。
なお、昇天節のBWV37については、
(わたしは、「定型カンタータ」の中ではこの曲が1番好きなので)
これまでにかなり書いてきましたので、そちらをご参照ください。
あと、残りは、今日のカンタータ、BWV44だけですね。