タイトル | : Re: R.シュトラウスの協奏曲 |
投稿日 | : 2006/09/28(Thu) 11:22 |
投稿者 | : Skunjp |
> 晩年のシュトラウスと言えば、なんと言っても、「オーボエ協奏曲」やデュエット・コンチェルトですが、
> (もちろん、シュトラウス本人は、モーツァルトの方を意識してたのでしょうけれど)
> シュトラウスが、80年を超える年月と、厳しい戦争体験を乗り越えてようやく創出し得た世界を、バッハは、まるであたりまえのように、きわめて日常的に量産していた、ということでしょうか。
数日前にR・シュトラウスの「最後の4つの歌」を聴きました。
この曲は私の昔からのお気に入りです。
第一曲が鳴り出すといつも、郷愁とあこがれに胸が締め付けられるようになります。
郷愁と言っても、具体的な私のふるさとではなくて、いつもは忘れているような古く甘酸っぱい心の空間といいましょうか、そこがうずくのです。
それに歌詞も私の大好きなヘルマン・ヘッセなのでもう言うことはありません。大好きな歌詞が、大好きな旋律で流れるのですから…
「9月」の中で、「夏が疲れた大きな目を閉じる」といったくだりがありますが、あの辺が良いですねー。それから夕映え…
演奏はシュヴァルツコップではなく、ジェシー・ノーマンで聴きました。シュヴァルツコップだと、細かい心理のひだが描き分けられていて、それはそれは見事ですが、ノーマンはもっと直截に声の威力で聴かせます。
あの強靱で深く大きなソプラノの声は、天啓のようなひとつの世界を私の部屋に出現させるのです。
あ、それから、「最後の4つの歌」以外の編曲物も素晴らしいですね。
晩年のR・シュトラウスはモーツァルトに回帰しましたが、バッハとの関係はどうだったんでしょうね?(対位法の書法は見事ですが…)