タイトル | : アリア集の楽しみ |
投稿日 | : 2006/09/22(Fri) 17:14 |
投稿者 | : Skunjp |
皆さん、キルヒシュラガーのことはご存じだと思います。
ウィーンで活躍しているメゾソプラノです。この人のバッハアリア集がとても素敵です。
私は以前PCMラジオからMDにエアチェックして通勤途中などで愛聴していたのですが、今回図書館でCDを借りてきてCD−Rに焼きました。そうしてスピーカーでちゃんと聴き直してみると、これは本当に素晴らしい演奏ですね。
内容はカンタータ84番、170番、42番など、他にはマタイ受難曲、クリスマスオラトリオなどからアルトの名アリアが抜粋して歌われています。
ただし、キルヒシュラガーの声質は、単純な美声ではありません。ちょっと聴きには、悪声とまではいわないまでも、どこか渋みの強い地ビールのような味わいがあり好悪を分けると思います。
しかし、よく聞き込むと、その苦みの混じった声に得も言われぬ魅力があり、たとえばゴーヤチャンプルに「にがうり」が欠かせないように、あるいは、新鮮なトロにおろしたての「わさび」が欠かせないように…(この辺やたら食べ物の比喩が多いのは、夕食前でお腹がすいているからなのですが)…、まあ、そんな感じで、結局、スモークドサーモンの味わいはあの苦みにあります…(まだ言ってる)。
このような極上の苦みの混じったキルヒシュラガーの声は大変強烈な力があり、違いのわかる大人の味というか、個性的でゴージャスな美声なのです。
そして、バックを付けるアンドレーア・マルコン指揮ヴェニス・バロック・オーケストラも、とても素晴らしいです。開放的でしかも練れた音楽をやります。ちょっとソロヴァイオリンのカルミニョーラが受難曲のオブリガートにしてはにやけている風な場面も一部ありますが、それ以外は非常に音楽的で、この指揮者で本格的なカンタータの演奏を聴きたいものだと思います。
さて、このように魅力的なアリア集は、キルヒシュラガーの当盤はじめ沢山あると思います。
先日も旅の者さんから、リリングのカンタータアリア集の話が出ましたし、コジェナーのバッハアリア集なども素晴らしいです。
私ももっと沢山アリア集を聴きたいと思っていますので、皆さんお気に入りのCDがありましたらぜひ教えてください。