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タイトル 壮絶!ガーディナーのBWV80
投稿日: 2006/09/17(Sun) 11:39
投稿者旅の者

 ガーディナー盤、さっそく購入して聴いてみましたが、腰をぬかすほどビックリしました。
 もうBWV80についてはいいかな、とも思ったのですが、
ぜひみなさんにご報告して、このCDをご紹介してくださったa pilgrimさんに一言お礼申し上げたかったので・・・・。
(これは、No.432→437と続く投稿へのレスです。ツリーがあまりにも長いので、飛び出しました)


 BWV80の冒頭合唱の構成は、コラールの各行ごとに、

1、合唱によるフーガ(コラール旋律の導入部)
       ↓
2、高音器楽によるコラール旋律
       ↓
3、通奏低音によるストレッタ(密接進行)のカノン風模倣

 が、くりかえされる、というものです。

 オーボエか、トランペットか、で話題になった件のコラール旋律は、実は通奏低音の模倣とセットになっていて、
 わたしは、この器楽のカノンこそが、前段の合唱フーガと並ぶ、最大の聴き所だと考えています。

 ガーディナーは、上記2の高音コラール旋律については、通常通り、オーボエを使用しています。(つまり原典版)
 しかし、この通奏低音のカノン模倣を、葛の葉さんがおっしゃったバス・トロンボーンによって、ごうごうと、思いっきり吹き鳴らさせているのです!
(すさまじい重低音で、大音量で聴いていたら、部屋中がビリビリと振動するほどでした。)

 ちなみに、バス・トロンボーンは確かに通奏低音楽器としての使用ということになりますが、登場するのはこの部分だけです。

 この通奏低音模倣は密接進行ですから、これを強調することによって、かんじんのオーボエのコラール自体も、否が応にも強調されることになり、気高く、光り輝くように浮き上がります。
 もちろんカノンの構造そのものもはっきりとするわけです。

 フリーデマンは、オーボエの高音コラール自体をトランペットに変更することによって、強調しようとしました。
 しかしこれでは、大切な通奏低音模倣がかき消されてしまいがちでした。実際、注意して耳を傾けないと、気づかないこともあるでしょう。
(もちろん、しっかりと聴き取れる演奏もありますが)

 考えてみれば、時代的に、対位法的興味はすでに失われつつあったのだから、これは当然のことかもしれません。

 その点、ガーディナーは、まったく逆転の発想とも言える方法によって、すべての問題をクリアした上で、しかも、最大限の効果をあげています。
 これは、実に、驚くべきことだと思います。
 しかも、バス・トロンボーンは、通奏低音としての使用なので、誰も文句が言えないわけです。(笑)

(確かに、通奏低音として、低音管楽器が使用されるのはよくあることです。
 しかし、コラール模倣部分に限って、これだけ威力のある楽器を使用するというのは、厳密に言えば、もちろん編曲の範疇にはいるのでしょう。
 しかし、この「編曲」が、どれだけすばらしい効果をあげていることか!)

 いずれにしても、ガーディナーのこのやり方は、BWV80問題?に、理想的な解答をしめすものだと思います。

 全体の演奏も、例によって、現代に息づく音楽としてバッハをとらえた、生き生きとして自然なもので、
 第6曲アリアの夢見るような美しさも見事。
 他の収録曲も名曲ばかり。

 a pilgrimさん、ほんとうに、ありがとうございました。


 つけたし

 冒頭合唱ですが、葛の葉さんがおしゃるように、ちょっと聴くとトランペットは登場しないようです。

 でも、たまに、トランペット「みたいな」音が聞こえるような気も・・・・。

 フリーデマン版における使用方法とはまったくことなりますが、もしかしたら、合唱声部を補強するストリングスの中に、一部金管を加えている?

 わたしの空耳かもしれませんが。


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