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タイトルBWV199〜ガンバとカンタータ
記事No384
投稿日: 2006/09/01(Fri) 01:07
投稿者旅の者
 BWV199は初期作ですが、バッハの大のお気に入りで、何度も手を加えられています。

 第6曲、美しい独唱コラールのオブリガートに関して言えば、
 もちろんオリジナルはヴィオラですが、
 なぜかケーテン時代にヴィオラ・ダ・ガンバ稿が作られ、ライプツィヒ初年度の再演では、それが使われたそうです。
 さらに、ライプツィヒ後期の別のガンバ稿が存在するようですが、これについては、一部に、ヴィオロンチェロ・ピッコロ用なのではないか、と、解釈する説もあるとのこと。
(これが、以前葛の葉さんがおっしゃっていたライプツィヒ稿というものでしょうか)

 つまり、このオブリガートに関しては、ヴィオロンチェロ・ピッコロより、むしろ、ガンバの方が、資料的な正当性は高い、ということ。
(なんでまた、ケーテンでガンバ稿がつくられたのかは不明だそうですが)

               以上、参考資料、「カンタータ研究」 樋口隆一
               (ちょっと古いかな)

 *   *   *

 ヴィオラ・ダ・ガンバと言えば、ヨハネやBWV198等の世俗カンタータ等ではおなじみですが、
教会カンタータではほとんど使われていなくて、BWV106、BWV152、BWV76のシンフォニアで使われているくらいのようです。
 つまり、教会カンタータにおいては、ピエルロよりも、コワンの方が、ずっと活躍の場が多い、ということ。
(もちろん、通奏低音はやらない、という前提ですが)

 この中では、やはりBWV106が圧倒的な名曲ですが、BWV152もおもしろい作品で、ヴィオラ・ダモーレというのも使われています。こちらの楽器は、他には例が無いのでは。

 それで気がつきましたが、BWV152の第1曲は、プレリュードとフーガ、器楽曲です。
 ガンバとヴィオラ・ダモーレが両方使われている印象的な曲なので、こっそり、「カンタータの山」のYのところに入れておきました。
(このフーガのテーマは何かのオルガン曲に使われていたはずです。
 曲自体はパロディではありませんが)

 端川さんのおかげで、どんどん見逃しが見つかります。
 なにしろ、最後の方は、ほとんど意識を失っていたもので。(笑)

タイトルRe: BWV199〜ガンバとカンタータ
記事No385
投稿日: 2006/09/01(Fri) 09:59
投稿者Skunjp
>  第6曲、美しい独唱コラールのオブリガートに関して言えば、
>  もちろんオリジナルはヴィオラですが、
>  なぜかケーテン時代にヴィオラ・ダ・ガンバ稿が作られ、ライプツィヒ初年度の再演では、それが使われたそうです。
>  さらに、ライプツィヒ後期の別のガンバ稿が存在するようですが、これについては、一部に、ヴィオロンチェロ・ピッコロ用なのではないか、と、解釈する説もあるとのこと。
> (これが、以前葛の葉さんがおっしゃっていたライプツィヒ稿というものでしょうか)


今朝、コープマンで119番ならぬ199番を聴きましたが、やっぱりコープマンは凄いと感銘を受けました。

あっさりと速めのテンポながら言いようもない音楽的な充実を感じました。コワン盤も聴きました。コワンの方がレチタティーヴォの弦をエスプレシーボに弾かせたりとか工夫していますが、指揮者としての力量はコープマンの方に一日の長を感じました。

ところがコワン盤は第6曲でチェロ・ピッコロが登場すると辺りの空気が一変して、曲のスケールと魅力がひと桁くらい増すのはさすがです。震い付きたくなるほど美しいチェロです。録音もコワン盤の方がオフマイクでシュリックの魅力的ながら若干クセのある声質にマッチしている気がしました。


さて、オブリガート楽器の件については、コープマン盤のヴォルフの解説にこうありました。

 初期ヴァイマル     ⇒ ヴィオラ
 ヴァイマルでの再演   ⇒ チェロ
 ケーテンでの再演    ⇒ ヴィオラ・ダ・ガンバ
 ライプツィッヒでの再演 ⇒ チェロ・ピッコロ

ですから、私たちはいろいろな時代の版を違うオブリガート楽器で楽しむことができるわけですね。

ケーテンのヴィオラ・ダ・ガンバ稿は、ケーテン公レオポルトが好んで弾いた楽器だったことが関係しているような気がします。ここを弾かせて主人を気持ちよくさせる目的のサラリーマン・バッハの処世?

(…推測ですよ)

タイトルRe^2: BWV199〜ガンバとカンタータ
記事No386
投稿日: 2006/09/01(Fri) 11:55
投稿者旅の者
> さて、オブリガート楽器の件については、コープマン盤のヴォルフの解説にこうありました。
>
>  初期ヴァイマル     ⇒ ヴィオラ
>  ヴァイマルでの再演   ⇒ チェロ
>  ケーテンでの再演    ⇒ ヴィオラ・ダ・ガンバ
>  ライプツィッヒでの再演 ⇒ チェロ・ピッコロ

 ヴォルフの解説は最新のものでしょうから、ライプツィヒ稿が、チェロ・ピッコロ用だというのが、定説になったのかもしれません。
 やっぱり新しい資料でないと、ダメですね。失礼しました。

 ライプツィヒでの再演は複数回におよぶみたいで、ケーテンのガンバ稿もちゃんと陽の目をみたようですし、
 バッハはこの曲がほんとに気に入っていたみたいですね。

 シュープラーコラール集にも、入れればよかったのに。

タイトルRe^3: BWV199〜ガンバとカンタータ
記事No388
投稿日: 2006/09/02(Sat) 18:09
投稿者端川哲堂
> > さて、オブリガート楽器の件については、コープマン盤のヴォルフの解説にこうありました。
> >
> >  初期ヴァイマル     ⇒ ヴィオラ
> >  ヴァイマルでの再演   ⇒ チェロ
> >  ケーテンでの再演    ⇒ ヴィオラ・ダ・ガンバ
> >  ライプツィッヒでの再演 ⇒ チェロ・ピッコロ
>
>  ヴォルフの解説は最新のものでしょうから、ライプツィヒ稿が、チェロ・ピッコロ用だというのが、定説になったのかもしれません。
>  やっぱり新しい資料でないと、ダメですね。失礼しました。
>
旅の者さん、Skunjpさん、ご教示ありがとうございます。
ガンバヴァージョンも有り、ということでなんとなくうれしいです。

樋口隆一氏のこの著書はわたしも持っていて、ときどき見ていますが、この件についての記載は見逃してしまっていました。

タイトルRe: BWV152〜ヴィオラ・ダモーレとカンタータ
記事No389
投稿日: 2006/09/02(Sat) 22:31
投稿者端川哲堂


>
>  この中では、やはりBWV106が圧倒的な名曲ですが、BWV152もおもしろい作品で、ヴィオラ・ダモーレというのも使われています。こちらの楽器は、他には例が無いのでは。
>
このヴィオラ・ダモーレというのは、気になる楽器です。以前から生の音を聴いてみたいと思っていますが、まだその機会がありません。

楽器現物も見たことがないのですが、写真では、共鳴弦というのが付属していて、たくさんの弦があるように見えます。

この楽器が使われているのは、教会カンタータではこのBWV152のみですね。世俗カンタータでは、BWV36cと205で使用されています。

とてもやわらかい、みやびた感じの音がします。この音色を堪能できる音楽に、ヴィヴァルディのヴィオラ・ダモーレ協奏曲があります。


このBWV152はわたしの大好きな曲のひとつです。同趣向のダイアローグカンタータといわれる、BWV32、49、57、58もみんなすばらしい名曲ですね。

タイトルRe^2: BWV152〜ヴィオラ・ダモーレとカンタータ
記事No391
投稿日: 2006/09/03(Sun) 11:37
投稿者旅の者
 BWV152、クリスマスの音楽ですが、思わず聴きなおしてしまいました。

 最もヴィオラ・ダモーレが堪能できるのは、何といっても、
第4曲ソプラノアリアですね。

 この楽器、とても甘い音色ですが、ヴィオラにくらべると少し舌ったらずな感じが、なんとも言えず、良いです。
(でも、注意して聴かないと、わたしだったら、ただのヴィオラだと思ってしまうかも)

 ヴィヴァルディというのもぜひ聴いてみたいです。

 ところで、このアリア、ヴィオラ・ダモーレとリコーダーの夢のように美しい響きに導かれて、ソプラノが恍惚と歌いだします。
 ああ、いいな、と思って、歌詞を見て、びっくり。
 なんと、Stein。
 これは、石?でしょうか。
 しかもたった一言。思いっきり長く引きのばして歌われます。

 ・・・・いろいろな意味で、ちょっと忘れられないアリアになりました。


 ダイアローグカンタータ、ほんとうにいいですね。
 バッハにはオペラが無いので、その意味でも、かけがえないものです。
(この頃なんとなく、端川さんのお好みがわかるようになってきてしまいました)

 そもそもバッハは、デュエットを書くとき、相当気合を入れるくせがあるので、ほとんどが名曲です。

 一部合唱がはいりますので、正確な分類上はどうなのか、よくわかりませんが、
 わたしのこよなく愛する、BWV66、134も、ケーテン世俗曲が原曲の、「ダイアローグカンタータ」です。(しつこい)

タイトルRe^3: BWV152〜ヴィオラ・ダモーレとカンタータ
記事No960
投稿日: 2008/03/07(Fri) 23:25
投稿者旅の者
 ガンバに関するテーマ・ツリーです。
 よろしかったら、ご参考になさってください。

タイトルRe^4: BWV152〜ヴィオラ・ダモーレとカンタータ
記事No962
投稿日: 2008/03/08(Sat) 08:19
投稿者ガンバる人
旅の者さん、参考にさせていただきます。
ありがとうございます!

タイトルRe^2: BWV152〜ヴィオラ・ダモーレとカンタータ
記事No967
投稿日: 2008/03/09(Sun) 19:52
投稿者壽圓正博 < >
今日、礼拝からかえって、リヒター版のヨハネ受難曲のDVD(1970年)
を見ました。
 教会歴には少々早いですが、土日しか大曲を聴けないので
 先回りです。(^^)
そうしたら、ビオラのような弦の多い楽器で伴奏している箇所が
ありました。共鳴弦があるようですし、音も独特の丸みのある音で
したのでヴィオラ・ダモーレではないかと思います。
それも微妙に形の違う2重奏になっています。
すみませんが、データがないし、どこの箇所ともはっきりしません。
詳しい方がいたら、フォロー願います。

それと、リュートの伴奏でアリアを歌っている箇所があって、
音のみでは今まで気がつかなかったので、新発見をしたような
気分になりました。
度素人の書き込みで失礼しました。

追伸
DVDの女性の髪型に年代を感じます。
それと、エヴァンジェリストのペーター・シュライヤの若いこと!!

>
>
> >
> >  この中では、やはりBWV106が圧倒的な名曲ですが、BWV152もおもしろい作品で、ヴィオラ・ダモーレというのも使われています。こちらの楽器は、他には例が無いのでは。
> >
> このヴィオラ・ダモーレというのは、気になる楽器です。以前から生の音を聴いてみたいと思っていますが、まだその機会がありません。
>
> 楽器現物も見たことがないのですが、写真では、共鳴弦というのが付属していて、たくさんの弦があるように見えます。
>
> この楽器が使われているのは、教会カンタータではこのBWV152のみですね。世俗カンタータでは、BWV36cと205で使用されています。
>
> とてもやわらかい、みやびた感じの音がします。この音色を堪能できる音楽に、ヴィヴァルディのヴィオラ・ダモーレ協奏曲があります。
>
>
> このBWV152はわたしの大好きな曲のひとつです。同趣向のダイアローグカンタータといわれる、BWV32、49、57、58もみんなすばらしい名曲ですね。

タイトルRe^3: BWV152〜ヴィオラ・ダモーレとカンタータ
記事No968
投稿日: 2008/03/09(Sun) 21:47
投稿者旅の者
 壽圓正博さん、こんにちは。よろしくお願いいたします。

 わたしはそのDVDは観ていませんが、
 一般掲示板No.1306くらいから、その話題が出ていて、その投稿によると、ヴィオラ・ダモーレでまちがいないようです。
 リヒターはCDでも、ヴィオラ・ダモーレを使っていますね。

 ヨハネ受難曲でヴィオラ・ダモーレが登場するのは、有名な第19曲のアリオーソと、それに続く第20曲アリアです。
(番号は新全集のもの。旧=31、32)

 ちなみに、ヴィオラ・ダモーレの画像は、こちらでごらんいただけますので、ヴィデオの映像と比べてみてください。

 http://www.uenogakuen.ac.jp/data/museum.html

タイトルRe^4: BWV152〜ヴィオラ・ダモーレとカンタータ
記事No971
投稿日: 2008/03/09(Sun) 22:43
投稿者壽圓正博 < >
ありがとうございます。
画像見ました。まちがいないです。

>  壽圓正博さん、こんにちは。よろしくお願いいたします。
>
>  わたしはそのDVDは観ていませんが、
>  一般掲示板No.1306くらいから、その話題が出ていて、その投稿によると、ヴィオラ・ダモーレでまちがいないようです。
>  リヒターはCDでも、ヴィオラ・ダモーレを使っていますね。
>
>  ヨハネ受難曲でヴィオラ・ダモーレが登場するのは、有名な第19曲のアリオーソと、それに続く第20曲アリアです。
> (番号は新全集のもの。旧=31、32)
>
>  ちなみに、ヴィオラ・ダモーレの画像は、こちらでごらんいただけますので、ヴィデオの映像と比べてみてください。
>
>  http://www.uenogakuen.ac.jp/data/museum.html