タイトル | : Re: 何故11番だけ、カンタータでなくてオラトリオなんですか? |
記事No | : 1249 |
投稿日 | : 2012/12/20(Thu) 23:46 |
投稿者 | : 旅の者 |
> ものの本によると、オラトリオは宗教曲、カンタータは範囲が広く > て世俗曲も含み、楽曲の規模は関係ないとのことです。だとすると > BWV11だけオラトリオとする理由がわかりません。どなたか詳 > しいお方お教えください。
お返事がおくれて申し訳ありません。 これは、昔わたしも不思議でした。 とりあえずぼんやりと知っていることだけ書かせていただきます。もし詳しくご存知の方がいらしゃったらお願いいたします。
BWV11(昇天節オラトリオ)は、旧バッハ全集においてはカンタータとして分類されていましたが、(シュミーダーのBWV番号も11というカンタータの番号になっていますね) 自筆総譜にエマーヌエルの筆跡による「オラトリオ」の記入があることを根拠に、その後オラトリオとして分類されて、それが一般化しているようです。
「オラトリオ」というと、一般的に、「(ある程度)物語性があり、(ある程度)規模の大きな、宗教的な題材を取り扱った曲」を指すことが多いようですが、 そういう意味では、BWV11は、正にオラトリオと呼べる作品かもしれません。 ただし、同様に物語性があり、さらに規模の大きな「カンタータ」が存在することも事実です。 いずれにしても、バッハの大部分の宗教曲は(あるいはその他の作品も)日々の業務の必要性に応じて大量生産されたもので、バッハ自身は、その作品が「カンタータ」だとか「オラトリオ」だとかタイトルを意識していたことはあまり無かったようです。 従って、現在一般的に使われているバッハの宗教曲のタイトル等は、原則的には後世の研究者等が一定の基準に基づいて分類・命名(インチピトをそのままタイトル化等)したものがほとんどなので、わたし自身も、これはカンタータだ、これはオラトリオだと、ジャンルやタイトル等をあまり細かく気にする必要は無いように感じています。 (もっとも、クリスマス・オラトリオや復活節オラトリオは、バッハ自身がオラトリオ(BWV249はオラトリウム)と呼んでいたので、はじめからあえて明確にカンタータと区別していたようですが)
なお、同様に分類の「境界線上」にある有名作品には、世俗カンタータとして分類されているBWV198、モテットとして分類されているBWV118などがあります。
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