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タイトル何故11番だけ、カンタータでなくてオラトリオなんですか?
記事No1248
投稿日: 2012/12/15(Sat) 19:53
投稿者ketsuro8da
ものの本によると、オラトリオは宗教曲、カンタータは範囲が広く
て世俗曲も含み、楽曲の規模は関係ないとのことです。だとすると
BWV11だけオラトリオとする理由がわかりません。どなたか詳
しいお方お教えください。

タイトルRe: 何故11番だけ、カンタータでなくてオラトリオなんですか?
記事No1249
投稿日: 2012/12/20(Thu) 23:46
投稿者旅の者
> ものの本によると、オラトリオは宗教曲、カンタータは範囲が広く
> て世俗曲も含み、楽曲の規模は関係ないとのことです。だとすると
> BWV11だけオラトリオとする理由がわかりません。どなたか詳
> しいお方お教えください。

 お返事がおくれて申し訳ありません。
 これは、昔わたしも不思議でした。
 とりあえずぼんやりと知っていることだけ書かせていただきます。もし詳しくご存知の方がいらしゃったらお願いいたします。

  BWV11(昇天節オラトリオ)は、旧バッハ全集においてはカンタータとして分類されていましたが、(シュミーダーのBWV番号も11というカンタータの番号になっていますね)
 自筆総譜にエマーヌエルの筆跡による「オラトリオ」の記入があることを根拠に、その後オラトリオとして分類されて、それが一般化しているようです。

 「オラトリオ」というと、一般的に、「(ある程度)物語性があり、(ある程度)規模の大きな、宗教的な題材を取り扱った曲」を指すことが多いようですが、
 そういう意味では、BWV11は、正にオラトリオと呼べる作品かもしれません。
 ただし、同様に物語性があり、さらに規模の大きな「カンタータ」が存在することも事実です。
 いずれにしても、バッハの大部分の宗教曲は(あるいはその他の作品も)日々の業務の必要性に応じて大量生産されたもので、バッハ自身は、その作品が「カンタータ」だとか「オラトリオ」だとかタイトルを意識していたことはあまり無かったようです。
 従って、現在一般的に使われているバッハの宗教曲のタイトル等は、原則的には後世の研究者等が一定の基準に基づいて分類・命名(インチピトをそのままタイトル化等)したものがほとんどなので、わたし自身も、これはカンタータだ、これはオラトリオだと、ジャンルやタイトル等をあまり細かく気にする必要は無いように感じています。
(もっとも、クリスマス・オラトリオや復活節オラトリオは、バッハ自身がオラトリオ(BWV249はオラトリウム)と呼んでいたので、はじめからあえて明確にカンタータと区別していたようですが)

 なお、同様に分類の「境界線上」にある有名作品には、世俗カンタータとして分類されているBWV198、モテットとして分類されているBWV118などがあります。

タイトル旅の者さま
記事No1250
投稿日: 2012/12/26(Wed) 19:42
投稿者ketsuro8da
ご回答ありがとうございました。なるほど、エマーヌエルの筆跡による「オラトリオ」の記入が根拠なのですね。ひとつ勉強になりました。
バッハにとっては「カンタータ」だとか「オラトリオ」だとか関係なかったのですね。それにしても「大量生産」した作品のほとんどが名作として後世の人たちに受け入れられたと言うことは、やはり凄いことであり、凡人にはなしえなかったことですね。
話題は変わりますが、ルター派教会のカントールであったバッハが「ミサ曲ロ短調」というカトリックの典礼に基づく作品を書いたのは何故でしょうか。まさか生活のためとも思えません。何か創価学会の幹部が念仏に関する著作を書いたというような違和感をおぼえます。

タイトルRe: 旅の者さま
記事No1251
投稿日: 2012/12/28(Fri) 16:18
投稿者旅の者
> 話題は変わりますが、ルター派教会のカントールであったバッハが「ミサ曲ロ短調」というカトリックの典礼に基づく作品を書いたのは何故でしょうか。

 これは、西洋音楽史上最大の謎の一つとして、古くから多くの学者等によって研究と解釈がくりかえされてきたことですね。
 この限られたスペースでかんたんにお答えすることはとてもできないような内容なので、代わりに、参考になる書籍として以下の2点を挙げさせていただきます。


 小林義武著 「バッハ−伝承の謎を追う」 春秋社

 クリストフ・ヴォルフ著、礒山雅訳 「バッハ ロ短調ミサ曲」 春秋社


 いずれも、膨大な研究成果に基づいた力作で、するどく真相に迫っているようにも思えますが、すべては、結局のところバッハ本人にしかわからないことで、この「謎」については、以上のようなこれまでの研究を参考にしてご自分でいろいろ考えていただくのが一番のような気がします。
 この「謎」に関しては、作品と向き合い、それぞれの人が感じたことこそが「答え」なのではないか、と、わたしは思っています。

タイトルRe^2: 旅の者さま
記事No1252
投稿日: 2012/12/28(Fri) 21:19
投稿者旅の者
 なお、年末年始出かけることが多いため、しばらくの間、ご質問等お答えできない可能性があります。
 よろしくお願いいたします。

タイトル本年もよろしくお願い申し上げます。
記事No1253
投稿日: 2013/01/01(Tue) 19:52
投稿者ketsuro8da
いつも懇切なアドバイスをいただきましてありがとうございます。とても参考になります。
さて、ちょっとおもしろいサイトを見つけました。ミサ曲ロ短調をクリックして、イントロデュースが終わった時点で、たとえばキリエをクリックすると、演奏に合わせてバッハの自筆譜面が現れて次々と表示されます。

http://oregonbachfestival.com/digitalbach/bminor/

私はスコアを読めるわけではありませんが、とてもおもしろいです。是非ご覧ください。
これはオレゴン大学のサイトなのですが、上にあるCuepointsを押してから、右のVideo Introductionをクリックすると詳細な操作方法が表示されます。

タイトルRe: 本年もよろしくお願い申し上げます。
記事No1255
投稿日: 2013/01/05(Sat) 10:57
投稿者葛の葉
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。

> htt
p://oregonbachfestival.com/digitalbach/bminor/

これ
は面白いサイトですね。窓とかドアとか、色々クリックする場所が
あって、まるで探検のゲームみたいです。オレゴン大学というのは
、ヘルムート・リリングが関わりを持っていて、CDの全集にも演
奏が入っていますね。ここで聴けるミサ曲ロ短調もやはりリリング
指揮のものですね。

タイトルRe^2: 本年もよろしくお願い申し上げます。
記事No1256
投稿日: 2013/01/05(Sat) 20:10
投稿者ketsuro8da
葛の葉さま
これ面白いでしょう?
演奏に合わせて手書きの楽譜が出てくるのがミソです。これバッハの手書きの楽譜なんでしょうか。
このサイトでは、ロ短調ミサ曲とゴルトベルク変奏曲だけで、残念ながらカンタータは登場しません。

以下はヘルムート・リリングがロ短調ミサ曲の解説と指揮をしています。バッハがバックと聞こえるのは英語読みだからでしょうか。

http://oregonbachfestival.com/digitalbach/discovery/bminor/bm1/
これはキリエの部分です。